Sweatlabs: BMIは暑熱適応に影響するか?
体格指数(BMI)が個人の暑熱適応に影響するかは、これまで分かっていませんでした。2025年11月の論文「成人の暑熱順化における生理的適応の個人間ばらつき: BMIと体格の寄与」は、次の点を調べました。
- BMIが、暑熱トレーニングブロックを通じて得られる暑熱適応の量に影響するか。
- BMIが、暑熱順化した状態・していない状態それぞれで、運動による深部体温上昇量と関連するか。
仮説は、「BMIが高い人ほど熱中症リスクが高いため、運動中の熱ストレスが大きく、その結果として適応も大きくなる」というものでした。プロトコルは8日間の暑熱トレーニングブロックです。

主な知見
BMI 25未満のグループ:
- 運動中のピーク深部体温は、1日目より4日目のほうが低く、8日目にはさらに低下した。
- 8日目のピーク深部体温は、BMI 25超のグループより低かった。
- 1日目から8日目にかけてのピーク深部体温の低下幅は、BMI 25超のグループの低下幅より大きかった。
BMI 25超のグループ:
- 運動中のピーク深部体温は、8日目まで低下しなかった。
ポイント:
1日目にはBMIとピーク深部体温の相関はなかった。8日目には有意な相関が見られた(BMIが高いほど深部体温が高い)。BMI 25超の健康な若年成人は、8日間の暑熱トレーニングブロックにおいて、BMI 25未満の人より暑熱適応が小さかった。これは研究者の仮説とは逆の結果でした。
研究の方法
- 米陸軍の隊員42名(男性26名、女性16名)を、BMI 25未満と25超の2グループに分けた。
- 両グループとも、高温環境チャンバー(40°C、相対湿度40%)で8日間、毎日120分のトレッドミル歩行を実施した。
- 深部体温・皮膚温・心拍数・発汗率を測定した。
COREの見解(Hot Take)
- 多くの職場や軍は標準化された暑熱適応プロトコルを用いている。本研究の結果は、BMIが高い人は、低い人向けのプロトコルより長い暑熱適応プロトコルが有益である可能性を示唆する。
- 多くの暑熱適応プロトコルは、完全な適応を得るのに14日を用いる。プロトコルを8日から14日に延長していたら、高BMIの人が低BMIの人と同じ適応レベルに達したかは不明である。8日間のプロトコルは、CORE暑熱順化スコアで80〜90%に相当すると推定される。
- BMIは、組織がメンバーに個別化された暑熱適応プロトコルを処方するうえで、効率的で効果的な指標になり得る。

今後に向けて
本研究は、暑熱適応プロトコルを設計する組織に重要な情報を与えます。同時に、今後の研究への問いも投げかけます。
- より長い暑熱トレーニングブロックであれば、高BMIの人は低BMIの人と同等の暑熱適応に達するのか。
- 体力が低い、または体脂肪率が高い人は、体力が高い、または体脂肪率が低い人より暑熱への適応が遅いと考えられている。体力・体脂肪率・BMIは、暑熱適応にそれぞれどのような因果的影響を持つのか。
- COREは現在、暑熱順化スコアの予測にBMIを考慮していない。COREの指標はBMIを考慮して個別化すべきか。
このような新たな研究は、COREの製品開発の方向性を形づくる助けになります。BMIは、より個別化されたCOREの指標やインサイトに活かせる可能性を持つ複数の指標の一つにすぎません。COREの研究開発チームは、今後のCORE製品により高い個別化をもたらす方法を積極的に模索しています。
この記事は本国CORE(greenteg社)のSweatlabsシリーズを日本語化したものです。
