暑熱対策を仕上げたトム・エヴァンス、UTMBテネリフェ110kで優勝
トム・エヴァンスのUTMBテネリフェ・ブルートレイル110kでの優勝は、熱ストレス軽減の教科書的な実践でした。海抜ゼロ地帯の暑さから亜高山帯の寒さまで、さまざまなマイクロクライメイトにまたがる6,700m超の獲得標高を攻略し、トムは12時間32分20秒でフィニッシュ。ウルトラトレイル界での優位を確固たるものにし、暑熱への準備と賢いレース当日戦略の効果を示しました。

先を見据えた暑熱トレーニングブロック
コースの温熱的な要求を理解していたトムは、レースの6週間前に2週間の暑熱トレーニングブロックに取り組みました。彼はこう説明します。
「レースの6週間前に集中的な2週間の暑熱トレーニングブロックを行った。いったん適応を得れば、維持は簡単だった。週3回の暑熱トレーニングセッションを行った。まず屋外で練習し、終わったらすぐにコアスーツを着てターボトレーナーかトレッドミルに乗り、ヒートゾーン3で45〜60分トレーニングした。これで必要な質のトレーニングをしつつ、暑熱への準備も得られた」
屋外の持久トレーニングと、COREヒートスーツを着ての屋内暑熱トレーニングのこの組み合わせは、重要な生理的適応——血漿量の増加、安静時深部体温の低下、より効率的な発汗——を引き起こす助けになったと考えられます。これらはすべて、レースのプレッシャー下で熱ストレスを低く保つのに不可欠な要素です。

レース当日のクーリング戦略
しかし違いを生んだのはレース前の準備だけではありません。トムはレースを通じて戦略的なクーリングを実施し、熱ストレスを抑え続けました。エイドステーションで頭から冷水をかけることで、日に焼けた低地の長く遮るもののない区間でのオーバーヒートを防ぎました。
火山性の砂漠、松林、そして3,500mを超える山頂を含む高山トレイルを縫うように進むコースでは、ウェアと正しい重ね着もレース当日戦略の重要な考慮事項です。灼けつくような序盤で熱を逃がす通気性の高いレイヤーから、寒い夜間の下りのための暖かく吸汗速乾の保温着まで、一つひとつが目的に応じて慎重に選ばれなければなりません。トムは大きく異なる環境を進むにつれてレイヤーを調整し、暖かさや涼しさを保とうと体を無駄に酷使することなく、効率的に体温を調節できるようにしました。
最終的に、トムの暑熱準備とクーリング戦略は実を結び、レース全体でヒートゾーン3に入ったのはわずか33分——つまりレースの大部分で、熱ストレスによるパフォーマンス低下を回避できたのです。
トムの勝利は、意図的な暑熱適応とリアルタイムの体温調節の力を示すケーススタディです。変化に富む、あるいは過酷な環境で戦う持久系アスリートにとって、明らかなことがあります。賢く練習し、戦略的に着こなし、涼しさを保つことは、最初にフィニッシュラインを越えるうえでフィットネスと同じくらい重要になり得るのです。
この記事は本国CORE(greenteg社)のブログを日本語化したものです。
