実践の暑熱トレーニング: エリック・オーケソン

編集部より: エリック・オーケソンは25歳のエリートマウンテンバイカーで、フランス・レサックでの欧州選手権とグラスゴーでの世界選手権にスウェーデン代表として出場しました。またサイクリングを専門とする高度な訓練を受けたコーチでもあり、Toppfysikとスウェーデン最大の高校で16〜18歳を指導しています。シーズンを通じてどのように暑熱トレーニングを行っているかを解説してくれた寄稿に感謝します。

暑熱トレーニングの価値

多くの方がご存じのとおり、「暑熱トレーニング」と呼ばれるものが持久系スポーツの世界を席巻しており、いまスポーツ科学で最も興味深いテーマの一つです。CORE Body Tempはこの分野をリードする企業で、トップのトライアスリートやワールドツアーのサイクリングチームと協働し、人間の生理を計測・理解する手助けをしています。しかし暑熱トレーニングのプロトコルから恩恵を受けているのは、プロのアスリートだけではありません。

いまやアマチュアアスリートもパフォーマンス向上のために活用しており、私もその一人です(クロスカントリー・マラソンとオリンピックディスタンスを主戦場とする、25歳のスウェーデン人エリートマウンテンバイカーです)。COREセンサーを使い、過去3〜4年間、継続的に暑熱トレーニングを行ってきました。ただ正直に言えば、プロトコルを厳密に守り、深部体温とヒートストレインインデックスをより注意深く計測するようになって本腰を入れたのは、ここ1年ほどのことです。

暑熱トレーニングのプロトコル

週に何回の暑熱セッション?

暑熱トレーニングブロックの長さは年によって変わってきましたが、いまは約10日が自分にとって最適だと分かりました。基本的な道具は、COREヒートスーツを着ての屋内トレーナーと、サウナです。この期間はこんな感じです。

これは週末にレースがない冬〜春の例です。

暑熱セッションは通常練習の一部? それとも別?

このブロックでは、トレーナーでのゾーン2暑熱セッションが約4回、サウナが6回になります。多少変動しますが、たいていこの形です。トレーナーでの暑熱セッションの多くは、「通常の」練習とは数時間空けて別に行います。サウナはほぼ必ず通常練習の直後、深部体温がすでに上がっている状態で行います。

暑熱セッションの中身は?

具体的にはこうです。バイクをトレーナーにセットし、ヒートスーツを着て体重を測ります(セッション中にどれだけ水分を失うか把握するため)。次に10分のウォームアップの後、5分間の閾値走を行い、深部体温を上げて大量に発汗し始めるようにします。残りの45分はワット数をゾーン2の中程に保ち、心拍数がゆっくりゾーン3に上がっていくのを見守ります。

最後の20〜25分はかなり不快になります。セッション中の水分摂取は毎時500mlに抑えますが、終わったら必ず補給します。COREがヒートストレインインデックス(HSI)を公開してからは、熱負荷を管理するためにいくつかのセッションで使っています。

グレー: 心拍数/ピンク: パワー/グリーン: 深部体温

ご覧のとおり、深部体温は閾値走の中盤あたりから上がり始め、最後の10分でゆっくり頭打ちになります。心拍数は25分の時点まで120bpm前後で安定しており、その頃には深部体温が「平常」状態から約1°C上昇しています。

グレー: 深部体温/グレーの線: 室温/ブルー: 皮膚温

私のスマートトレーナーは広い工業施設に置いてあり、夏はかなり暑く、冬の日はちょうど良い環境です。夏は室内が21〜23°C、湿度20〜25%程度。室温はあまり変えられないので、セッションは低強度に保ち、序盤に高強度の努力を入れて深部体温を上げます。つまり、適切なゾーンまで深部体温を上げるには基本的に服装に頼っているということです。

サウナ

ブロック中の暑熱セッションの多くはサウナです。サウナ内ではセンサーで深部体温を計測できないので少し厄介です。心拍計とセンサーをすぐ外に置き、休憩で出て装着する方法も試しましたが、時間がかかりすぎ、正確に計測するにも時間が要るため、いまは体感でサウナを行っています。

通常は80〜85°Cで約30分。主観的強度が管理できるときは40分のこともあります。可能ならライドの直後、トレーニングですでに深部体温が上がっている状態で行います。サウナに入るときはたいてい38°C前後で、そこに座る30分で38.5〜39.5°Cまで上がるはずです。これは私のヒートランプテストによれば適切な範囲です。

ヒートトレーニングゾーンとHSI

暑熱トレーニングを最大化するため、個人別のヒートトレーニングゾーンを使いつつ、ヒートストレインインデックスにも目を配っています。やりすぎ、熱すぎは、速くなるどころか害になります。下の図がこのワークアウトのHSIです。CORE自身が推奨する範囲(HSI 3〜6に保つ)の上限にあります。COREヒートスーツを使うときは通常4.8〜6.0に収まります。2枚目の画面では、個人別のヒートトレーニングゾーンと各ゾーンでの滞在時間が分かります。39.2°Cを超えたくはありません。体に負荷がかかりすぎるからです。38°C台後半が私には良い範囲です。

シーズン中の維持

私はマウンテンバイカーでXCM・XCOの両方に出るため、4月下旬から9月下旬まではほぼ毎週末がレース週です。そこで暑熱トレーニングブロックは「A」レースのスケジュールに最も合うよう計画します。つまりレースシーズン中もこの種の暑熱ブロックを継続的に行います。ただし頻繁にはやりません。自分で試した結果、Aレースにかなり近いタイミングで暑熱ブロックを終えると最大の効果が得られると結論づけました。もちろん個人差はありますが、私にはこれがうまくいきます。Aレースの14日前にこの10日間ブロックを開始します。レースが日曜なら、最後の暑熱刺激は水曜に行います。

ブロックの間は、週2回程度の暑熱刺激を維持するようにしています。通常はサウナですが、トレーナーで暑熱セッションを行うこともあります。

この記事は本国CORE(greenteg社)のブログを日本語化したものです。

Train Hot, Race Cool

CORE 2 を購入