トライアスロンに
暑熱トレーニングを組み込む

フロリダ在住のコーチ ティム・クロウリー氏による、練習の質を落とさずに暑熱順化を積み上げる実践プロトコル。

CORE 2 サーマルセンサー
著者について
ティム・クロウリー氏はフロリダ州クレルモンを拠点とするトライアスロンコーチで、TC2 Coaching LLC のオーナー。モントヴェルデ・アカデミーのヘッドS&Cコーチも務めています。

暑熱トレーニングの目標は、練習の質を犠牲にせずに暑熱順化を作ることです。気温32°C・高湿度が半年続く中央フロリダでは、暑熱トレーニングは必須です。以下は、私自身と指導する選手たちで実践している方法です。

開始前に暑熱下の安全についてを必ずお読みください。

ヒートローディング日:週2回

やや強度の高い暑熱セッション。服装・強度・空気の流れをコントロールするため、通常は屋内で行います。

バイク

屋内トレーナーを使用。サーマルタイツ、ベースレイヤー、ウインドブレーカー、サーマルジャケット、COREスーツなどを状況に応じて着用します。

  1. 10〜15分のウォームアップ
  2. 1:1の比率でインターバル。1本30秒〜3分、強度はFTPの100〜110%
  3. 30分あたりでHSIが3.0に到達するのが目安
  4. インターバルは合計16〜30分、または心拍が閾値+10拍程度に達するまで継続
  5. その後FTPの50〜60%まで強度を落として15〜20分
  6. 目標はHSI 3.0〜5.0以上を20〜30分

ラン

熱負荷を高めるため、通常1枚多く着用します。

  1. 15分のウォームアップ(ランニングドリルを含む)
  2. 坂道レップ:中程度の勾配で30秒×4本、または1分×3本(戻りはジョグ)
  3. メインセット(いずれか):屋外の平坦〜起伏コースでインターバルまたはファルトレク(高強度の合計15〜20分)/トレッドミルで厚着(例:閾値ペース90秒+休憩30秒を10〜20本)/平坦またはやや上り坂で3〜6kmのステディ走
  4. 目標はHSI 3.0以上を20〜25分

通常練習+軽い熱負荷:週2〜3回

特別な暑熱計画のない通常のワークアウトです。選手の適応度と気候に応じて、目標のHSIに届くよう1枚追加します。ランでは容易ですが、ある程度順化が進むとバイクでは難しくなります。アームウォーマーとサーマルベストは、練習の質に影響を与えずに熱ストレインを上げるのに有効です。

ワークアウトの終盤、熱ストレインが高まった状態で、低強度の有酸素運動を追加すると曝露時間と適応を増やせます。熱ストレインが下がるまで、ウォーキングや軽いスピニングを続けます。

受動的暑熱セッション:週3〜4回

40°Cのホットタブやサウナは効果的な受動的暑熱トレーニングです。

ホットタブやサウナではCOREセンサーは正確なデータを示しません(装着しないでください)。心拍数を追うことで熱負荷の目安になります(心拍が高いほど熱負荷が高い)。

ヒートスタッキング:週2〜3回

HSIが2.0以上で終わったワークアウトの直後に受動的暑熱を重ねる方法です。40°C以上のホットタブに10〜15分が特に効果的。ただし大きなストレスになるため、ふらつきや吐き気を感じたらすぐに出てください。心拍を追うと過剰なストレスを避けられます。

もう一つの方法は、受動的な手段を2つ連続させて曝露時間を延ばすこと。ホットタブの直後にサウナに入ると、予熱効果でサウナがより効果的になります。

暑熱順化スコアの活用

COREアプリの暑熱順化スコアを使えば、暑熱トレーニングと適応を数値化して計画できます。目標は週あたり約10%のスコア上昇。ゼロから始めた場合、完全な順化(ヒートチャンピオン)まで約9週間です。ここまで来れば、熱ストレスによって強度を落とさずに質の高い練習ができます。

スコア90%以上を維持する「ヒートチャンピオン」になったら、週2〜3回のセッションで維持モードに移行し、より高いフィットネスの構築に集中できます。

この段階では、暑熱トレーニング以外のセッションで冷却戦略を試すとよいでしょう。屋内での扇風機使用、プレクーリング用のクーリングベストなどで、深部体温と熱ストレインを低く保ちます。

放熱能力のチェック方法
ワークアウト後、エアコンの効いた通常の室温に戻ったときに、HSIが1.0に戻るまでの時間を測ります。私は暑熱順化が進んでいるとき、HSI 5.0から1.0まで10分以内で戻ります。余分な熱を素早く逃がす能力は、暑熱トレーニングの重要な適応のひとつです。

Train Hot, Race Cool

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