ヒートゾーン

ヒートストレインインデックス(HSI)を4つのゾーンに区分し、トレーニングとレースの判断を助けます。

COREアプリのヒートゾーン表示

COREのHSIは、身体が涼しさを保つためにどれだけ働いているかを示します。0(熱ストレインなし)から10程度(極めて高い熱ストレイン)までのリアルタイム値です。HSIをモニタリングすることで、パフォーマンス低下を防ぎ、効果的に暑熱へ適応できます。トレーニングとレースの指針として、COREの専門家はHSIに基づく4つのヒートゾーンを策定しました。

免責事項: COREセンサーは医療機器ではなく、熱射病や熱中症を診断するものではありません。また、ヒートゾーン1〜3でトレーニングやレースを行っても、熱射病や熱中症にならないことを保証するものではありません。

4つのヒートゾーン

HSI
ヒートゾーン
身体への影響
パフォーマンスへの影響
7〜10
ゾーン4(HSI 7以上)
極めて高い熱ストレイン

このゾーンで長く運動すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、熱中症のリスクにさらされます。筋けいれん、めまい、吐き気、頭痛、失神が警告サインです。

危険

このゾーンで長く運動すると重大な健康被害につながりえます。パフォーマンスは大幅に低下し、運動の中止が必要になる場合もあります。

3〜6.9
ゾーン3(HSI 3〜6.9)
高い熱ストレイン

深部体温・皮膚温ともに高い状態。大量に発汗し、冷却のためより多くの血液が皮膚へ運ばれます。同じパワー・ペースを維持するには、筋肉への酸素供給を保つため心拍数を上げる必要があります。暑さを感じ、運動への意欲も下がりがちです。

パフォーマンス低下

運動能力が大幅に低下します。同じパワー・ペースの維持により大きな努力が必要になり、疲労困憊が早く訪れます。

1〜2.9
ゾーン2(HSI 1〜2.9)
中程度の熱ストレイン

深部体温・皮膚温がともにやや上昇。心拍数も普段よりわずかに高くなることがあります。暖かさを感じる状態です。

パフォーマンス低下の可能性

普段よりパフォーマンスが落ちる可能性があります。

0〜0.9
ゾーン1(HSI 0〜0.9)
熱ストレインなし

熱ストレインは生じていません。深部体温は上がっていても皮膚温は中立で、放熱しながらパフォーマンスを発揮できる状態です。

最適なパフォーマンス

トレーニングでもレースでも、最適なパワー・ペースを発揮できます。

ゾーン3のパラドックス

ヒートゾーン3は極めて重要です。競技中は避けるのが賢明——心拍数が上がり、暑さの感覚がかなり不快になるためです。このゾーンでレースを走りきることは可能でも、長時間の滞在は多くの選手が避けたいと考えるでしょう。

ところが対照的に、ゾーン3は暑熱トレーニングには理想的です。このゾーンでの定期的・反復的なトレーニングが暑熱順化をもたらします。適応を得るのに最適なゾーンなのです。ゾーン2でも多少の適応は起こりえますが、時間がかかり、身体の潜在能力を最大限には引き出せません。

ヒートゾーンの個人差

体温調節とそれに伴うパフォーマンス低下は、極めて個人差が大きいものです。したがって、ヒートゾーンの正確な閾値は人によって異なりえます。たとえばゾーン3はかなり幅広い値をカバーしており、その全域で誰もが同じ反応をするわけではありません。HSI 3.0〜4.0で大きくパフォーマンスが落ち、その範囲が暑熱トレーニングとして有効な人もいれば、3.0〜4.0ではほとんど低下がなく、効果的な暑熱トレーニングにはHSI 5.0〜6.0が必要な人もいます。同様に、ゾーン4での運動が危険な選手もいれば、そうでない選手もいます。

こうした個人差は、暑熱順化の状態、フィットネスレベル、身長、体重、体組成、性別、年齢など、さまざまな要因によって生じます。また、単純に「サーモスタットが低い/高い」人もいて、周囲より低い値や高い値を示すことがあります。

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参考文献

  1. Alkemade P. Mitigation of heat strain during exercise in hot-humid conditions. 2023.
  2. Casa DJ, et al. NATA position statement: exertional heat illnesses. J Athl Train. 2015;50(9):986–1000.
  3. Foster J, et al. Individual responses to heat stress. Front Physiol. 2020;11:541483.
  4. Nybo L, Rasmussen P, Sawka MN. Performance in the heat. Compr Physiol. 2014;4(2):657–89.
  5. Périard JD, Racinais S, Sawka MN. Adaptations and mechanisms of human heat acclimation. Scand J Med Sci Sports. 2015;25(1):20–38.

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