ヒートストレインインデックス(HSI)を4つのゾーンに区分し、トレーニングとレースの判断を助けます。

COREのHSIは、身体が涼しさを保つためにどれだけ働いているかを示します。0(熱ストレインなし)から10程度(極めて高い熱ストレイン)までのリアルタイム値です。HSIをモニタリングすることで、パフォーマンス低下を防ぎ、効果的に暑熱へ適応できます。トレーニングとレースの指針として、COREの専門家はHSIに基づく4つのヒートゾーンを策定しました。
このゾーンで長く運動すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、熱中症のリスクにさらされます。筋けいれん、めまい、吐き気、頭痛、失神が警告サインです。
このゾーンで長く運動すると重大な健康被害につながりえます。パフォーマンスは大幅に低下し、運動の中止が必要になる場合もあります。
深部体温・皮膚温ともに高い状態。大量に発汗し、冷却のためより多くの血液が皮膚へ運ばれます。同じパワー・ペースを維持するには、筋肉への酸素供給を保つため心拍数を上げる必要があります。暑さを感じ、運動への意欲も下がりがちです。
運動能力が大幅に低下します。同じパワー・ペースの維持により大きな努力が必要になり、疲労困憊が早く訪れます。
深部体温・皮膚温がともにやや上昇。心拍数も普段よりわずかに高くなることがあります。暖かさを感じる状態です。
普段よりパフォーマンスが落ちる可能性があります。
熱ストレインは生じていません。深部体温は上がっていても皮膚温は中立で、放熱しながらパフォーマンスを発揮できる状態です。
トレーニングでもレースでも、最適なパワー・ペースを発揮できます。
ヒートゾーン3は極めて重要です。競技中は避けるのが賢明——心拍数が上がり、暑さの感覚がかなり不快になるためです。このゾーンでレースを走りきることは可能でも、長時間の滞在は多くの選手が避けたいと考えるでしょう。
ところが対照的に、ゾーン3は暑熱トレーニングには理想的です。このゾーンでの定期的・反復的なトレーニングが暑熱順化をもたらします。適応を得るのに最適なゾーンなのです。ゾーン2でも多少の適応は起こりえますが、時間がかかり、身体の潜在能力を最大限には引き出せません。
体温調節とそれに伴うパフォーマンス低下は、極めて個人差が大きいものです。したがって、ヒートゾーンの正確な閾値は人によって異なりえます。たとえばゾーン3はかなり幅広い値をカバーしており、その全域で誰もが同じ反応をするわけではありません。HSI 3.0〜4.0で大きくパフォーマンスが落ち、その範囲が暑熱トレーニングとして有効な人もいれば、3.0〜4.0ではほとんど低下がなく、効果的な暑熱トレーニングにはHSI 5.0〜6.0が必要な人もいます。同様に、ゾーン4での運動が危険な選手もいれば、そうでない選手もいます。
こうした個人差は、暑熱順化の状態、フィットネスレベル、身長、体重、体組成、性別、年齢など、さまざまな要因によって生じます。また、単純に「サーモスタットが低い/高い」人もいて、周囲より低い値や高い値を示すことがあります。