暑熱トレーニングの基礎

暑熱順化で何が起こるのか、どれだけのセッションが必要なのか。科学的根拠に基づく基本を解説します。

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暑熱トレーニングは主に、暑いレースでのパフォーマンスを高める「暑熱順化」を得るために行われます。加えて、涼しい〜中立的な条件でのパフォーマンス向上にも活用できます。

身体に起こる適応

定期的・反復的に暑熱トレーニングを行うと、身体は熱ストレスによりうまく対処できるよう適応します。

人体は主に、汗の蒸発と、皮膚と空気のあいだの熱交換(対流)によって熱を放散します。暑熱トレーニングによって、この放熱能力を高められます。より早い段階で(つまり、より低い深部体温で)発汗が始まり、発汗量も増えるため、汗の蒸発による放熱が増加します。さらに、血漿量が増え、皮膚の血管のコントロールが改善することで、対流による冷却のための皮膚血流が増えます。

これらの生理的適応がもたらす結果は次のとおりです。

涼しい条件でもパフォーマンスは上がる

暑熱トレーニングは高温・多湿条件でのパフォーマンスを高めますが、涼しい〜中立的な条件でのパフォーマンス向上にもつながりえます。暑熱トレーニングで得られる血漿量の増加は総血液量を増やし、あらゆる条件でパフォーマンスを高めうるためです。

さらに、暑熱トレーニングにはヘモグロビン量を増やす可能性があることも科学研究で示されています。ただし、こうした適応を得るには、より長期的なプロトコルが必要になるでしょう。

基本的なプロトコル

十分に暑熱順化するには、2〜12週間のあいだに10〜14回の暑熱セッションが必要です。各セッションでは、ヒートゾーン3(HSI 3.0〜6.9)で45〜80分を目安にします。

最も早く効果を得られるのは、毎日または1日おきの実施です。週2〜3回でも、より緩やかに適応を積み上げられます。

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適応を維持する

目標とするレベルまで順化したら、週1〜3回の暑熱セッションで適応を維持できます。暑熱トレーニングをやめると適応は失われていきます。適応は暑熱トレーニングのない日ごとにおよそ2.5%ずつ減少し、5〜6週間で完全に消失します。

数週間セッションなしの期間が続いた場合でも、定期的・反復的な暑熱トレーニングを再開すれば適応を取り戻せます。

参考文献

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